適格簡易請求書とは。ネット販売・オンライン講座で宛名なし領収書は使えるか
「領収書に宛名がないと経費にできない」と思われがちですが、インボイス制度には宛名を省いた適格簡易請求書という様式があります。どんな事業が使えて、ネット販売はどう扱われるのかをまとめます。
適格簡易請求書の記載事項
通常の適格請求書から「交付を受ける事業者の氏名または名称(宛名)」を省き、「税率ごとの消費税額等」を「消費税額等または適用税率のいずれか」に緩めたものです。必要なのは次の5項目です。
- 発行者の氏名または名称と登録番号
- 取引年月日
- 取引内容(軽減税率対象ならその旨)
- 税率ごとに区分した合計金額(税抜または税込)
- 税率ごとの消費税額等、または適用税率
交付できる事業
消費税法施行令では、小売業、飲食店業、写真業、旅行業、タクシー業、駐車場業(不特定多数向け)と、「これらに準ずる事業で、不特定かつ多数の者に資産の譲渡等を行う事業」が挙げられています。国税庁のインボイスQ&A(問24)では、事業の性質で判断するとされています。
ネット販売・セミナーは該当するか
令和6年4月に追加されたQ&A(問24-2)では、多数の会員から広く参加者を募るセミナーについて「相手方の氏名等を確認するものであっても」不特定多数向けに当たり、宛名を省略できる例が示されています。税務専門誌でも、ネット通販は買い手の氏名が分かっていても簡易インボイスを交付できると解説されています。
一方で、電気・ガスのように相手を一意に特定して継続的に契約する取引や、特定の相手と個別に契約する受託開発などは、不特定多数向けとは言いにくく、宛名入りの適格請求書が必要と考えられます。
「上様」は使える?
宛名を「上様」とするのは、氏名または名称の記載とは言えません。宛名を書かないなら適格簡易請求書として交付する(要件を満たす事業であること)、書くなら正しい名称にする、のどちらかです。
購入者側の注意
3万円未満の少額取引について帳簿のみで仕入税額控除を認める特例(少額特例)は、基準期間の課税売上高1億円以下などの事業者に限られ、2029年9月30日までの措置です。それ以外の購入者は、適格請求書または適格簡易請求書の保存が必要です。
スグ領収書は、Stripe の決済完了後に購入者が宛名を入れて領収書PDFを取れるページを用意します。登録番号・税率別内訳つき、月10件まで無料。
無料ではじめるこの記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、個別の税務判断は税理士にご相談ください。Stripe の画面や仕様は変わることがあります(2026年09月時点)。